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【PCAで学ぶ公益法人会計】 第6回:財務諸表の構造を理解しよう~その5

貸借対照表は法人の財政状態の原因と結果を表します。

これまで「資産の部」「負債の部」「正味財産の部」について確認してきましたが、貸借対照表が何の為にあるかと言えば、法人の財政状態を表すためです。借方と貸方で、財政状態の原因と結果を表現しているとも考えられます。
借方の資産の部には総資産が表示され、どのような資産内容であるか、公益法人会計のルールに沿って区分されています。
その一方、貸方の「負債の部」「正味財産の部」は法人が保有している資産の財源(どこから取得したか)を表しています。

貸借対照表にも言いたいことがあるんです!

上図の貸借対照表を例にすると、次の事を表していることになります。

  • 総資産(全財産)は350あります。
  • 総資産のうち150は流動資産(現金又はいつでも現金化できる資産)を持っています。
  • 総資産のうち200は固定資産を持っています。
  • 固定資産のうち50は法人の骨格をなす基本財産で保有しています。
  • 固定資産のうち50は将来決められた目的のために、特定資産を積み立てています。
  • 固定資産のうち100はその他固定資産として一年以上現金化されることのない資産を保有しています。
  • 総資産350のうち50は負債(借金)をすることで、調達しました。(負債)
  • 総資産350のうち50は、広く社会から基金を募集し、調達しました。(基金)
  • 総資産350のうち80は、使途について指定された寄付金を受け取り、調達しました。(指定正味財産)
  • 総資産350のうち170は、事業活動等を行い、調達しました。(一般正味財産)

少しずつイメージが湧いてきましたでしょうか?民間企業の決算書でも同じことが言えるのですが、貸借対照表がしっかり読めないと、決算書を見ても片手落ちになりがちですので、しっかりと確認してください。