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【PCAで学ぶ公益法人会計】 第5回:財務諸表の構造を理解しよう~その4

財源を表す「正味財産の部」

「正味財産」とは資産から負債を差し引いた純資産に該当しますので、その法人の実質的な財力を表します。

(正味財産)=(資産)-(負債)

公益法人会計では、正味財産を財源(どこから発生した財産なのか)ごとに、「指定正味財産」「基金」「一般正味財産」の三つに区分経理します。
(残念ながら私は「正味財産の部」の「基金」を設定している法人を見たことがありません。「資産の部」にある基金という勘定科目は沢山見たことがありますが、それはここで説明している基金にはあたりません。)

「指定正味財産」と「一般正味財産」

公益法人が行う事業活動から発生した財産は「一般正味財産」となります。一方、寄付によって受け入れた資産で、寄付者の意思で使途や管理方法などに制約がある場合、寄付を受け取った公益法人の受託責任を明確に表示するために、公益法人が自由に使うことのできる「一般正味財産」とは分離して「指定正味財産」とします。
例えば、寄付者が「どうぞ財団でご自由にお使いください」と1,000万円を寄付したら、「一般正味財産」を受け入れたことになりますが、「この1,000万円を被災された地域の復興事業に使ってください」と1,000万円を寄付したら「指定正味財産」を受け入れたということになります。
また、国や地方自治体からの補助金や助成金などは必ず「指定正味財産」になります。このような補助金や助成金は、必ずその目的や使途が明確に定められており、公益法人が目的外に使用することを禁じているからです。

「基金」

一般法において、一般社団法人は「基金」の設定が可能になりました。それに伴い、平成20年会計基準では「基金」に関する規定が盛り込まれました。
しかし、ここでいう「基金」とは一般法で定められたものであって、従来から公益法人が広く設定している「基金」とは全く異なりますのでくれぐれもご注意ください。(言葉は同じですが、内容は違います)
将来計画している目的の為に積立てをし、資産の部に「○○○○基金」という勘定科目を設定しているケースは多く見受けられますが、「正味財産の部」で設定された「基金」は、「資本金」の意味合いを持ちます。
公益法人会計で資本金という名称を使わないのは、公益法人は営利を目的としていないので、配当がない事が理由だからです。公益法人会計における「基金」とは、民間企業が資金調達のために株式を発行するのと同じように、一般社団法人が資金調達するために設定したものをさします。

「正味財産」=「指定正味財産」+「基金」+「一般正味財産」