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PCAで学ぶ公益法人会計基準WEBセミナー 第19回


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第19回:公益法人科目体系の考え方 その2

最も多い間違いは勘定科目の考え方

「公益認定三法」が制定され、それに伴い会計基準は大きく変わりました。最も重要な点は勘定科目に対する考え方の変更ですが、この点についてはっきりと説明してくれる人や書籍が少ない為に、科目体系が解らないまま決算を行っているケースも少なくないようです。

勘定科目を考える上で最も多い間違いは、「勘定科目で事業活動を表してしまう」といったものです。もう少し具体的に申し上げますと「20周年事業費」とか「出版事業費」「理事会費」といった科目が該当します。旧会計基準では勘定科目で活動内容を表現することが求められていましたが、現在の公益法人にとっては不適切です。実際にこのような科目を使っても認定委員会や税務署から怒られる事もなく、正式な財務諸表としても通用します。しかし、私は声を大にして皆さんにご提案したいと考えております。

「勘定科目で事業活動を表現するのは止めましょう」

疑問に思われる方も多いかと思いますが、その理由については順を追ってご説明させていただきます。

公益法人会計に求められるもの

会計基準変更のテーマを私なりに表現すれば、「事業別損益計算」です。公益法人は事業ごとに赤字か黒字かをハッキリと表示しなければなりません。この事業ごとの損益計算が基となって財務基準の判定が行われます。

収支相償・公益目的事業比率・遊休財産保有限度額や公益目的支出計画などの判定には、「事業別損益計算」ができていなければ何も計算できません。したがって、誰が見ても一目瞭然である事業別損益計算書を作成する事が公益法人会計に求められるます。(正味財産増減計算書内訳表がこれにあたります)

また、税務上の観点からも事業内容や形態によって課税状況が異なりますから、正しい税金計算を行うためにも事業区分が必要となります。

事業区分と勘定科目

前述しました通り、キーワードは「事業」です。すべての収益と費用は事業ごとに捉える必要がありますから、新しい会計基準では事業区分という考え方が導入されました。事業活動については事業区分を使ってしっかりと表現しましょうという考え方ですから、勘定科目では事業を表す必要がありません。

しかし勘定科目を変えたくないといったお話もよく伺います。その理由はおおむね以下の二つにあるようです。

理由@ 科目を大幅に変えてしまうと前年比較ができなくなってしまう。
理由A 見慣れた財務諸表が変わってしまうと解り辛くなる。

勘定科目の大幅変更は前期比較ができなくなる

一般的に来年度の予算を検討する際、前年実績を参考にするのは至極当然で、前年比較ができない事による弊害は容易に想像できます。
法人によって状況は異なりますが、この弊害が大きなものであるならば、前年比較をするために新会計基準で作成した予算を旧会計基準に組み替えるなどの作業が必要となります。
(ある法人のデータにてこの作業を行ったことがありますが、比較的スムーズに実施できました。新会計基準から旧会計基準にデータを組み替える事は比較的スムーズにできると思いますが、旧会計基準から新会計基準に組み替えるのは少し骨が折れるかもしれません。)

組み替え作業を行ったとしても一回限りですから、やはり科目の大幅改定をお勧めしています。また理由Aの見易さについては、個人の感覚ですからあまり断定的な事は言えませんが、公益法人の理事の方々から広く感想を伺うと、新会計基準で作成した財務諸表の方が解りやすいというご意見を多く耳にします。これは、理事の皆さん方の多くは民間企業の経営者又は管理職である事が起因していると考えられます。

民間企業では損益管理は死活問題です。収益を主たる目的としない公益法人よりも、民間企業における収益と費用の捉え方は厳密で、部門別損益計算などの手法は何十年も前から広く普及しています。
今回の公益法人会計基準の改正は、民間企業の会計基準に近づいたと言えます。(当然ながらイコールではありません)事業別損益計算書(正式名称は正味財産増減計算書内訳表)はまさに民間企業の部門別損益計算書なのです。したがって民間企業の決算書を見慣れている理事の方々にとっては、以前より理解しやすくなったようです。

正味財産増減計算書の比較

旧基準の考え方

新・旧の正味財産増減計算書をかなり単純化して比較したものが以下の表です。
旧基準の最大の問題点は事業ごとの損益計算は、読み手が行うという事です。例えば、A事業の利益を知りたい場合は、読み手がA事業収益の1,000,000からA事業費の870,000を差し引きする必要があります。またもう一つの問題点は、勘定科目で事業区分を表しているものの、何に対する支出かは(何を買ったのか?)はわからないという事です。昔はそれらを知る必要性が低かったという事かもしれません。

表@
     金額
収益 A事業収益  1,000,000
B事業収益  240,000
C事業収益  890,000
 収益計 2,130,000
費用  A事業費 870,000
 B事業費  500,000
 C事業費 550,000
費用計  1,920,000
当期増減額  210,000

新基準の考え方

新基準では横軸にて事業区分を表示しています。横軸の事業区分(何をしているか?)と縦軸の支出内容(何を買っているか?)の情報が整理され、事業ごとの損益は誰が見ても一目瞭然です。

表A
   A事業  B事業  C事業  合計
 収益   1,000,000  240,000  890,000  2,130,000
 費用  人件費  400,000  0  350,000  750,000
 印刷製本費 160,000 300,000 0 460,000
 旅費交通費 80,000 150,000 170,000 400,000
賃借料 230,000 50,000  30,000  310,000
費用計  870,000  500,000  550,000  1,920,000
 当期増減額   130,000  −260,000  340,000  210,000

新基準風味?

勘定科目の考え方を変えずに事業区分とレイアウトだけ変更すると以下のような表になります。
例えばB事業においてA事業費は絶対に発生しませんが、このように絶対に¥0しか入らない不要な欄が多数存在しています。

表B
     A事業  B事業  C事業  合計
収益  A事業収益  1,000,000  0  0  1,000,000
 B事業収益  0  240,000  0  240,000
 C事業収益  0  0  890,000  890,000
 収益計 1,000,000   240,000 890,000  2,130,000
費用  A事業費  870,000  0  0  870,000
 B事業費  0  500,000  0  500,000
 C事業費  0  0  550,000  550,000
 費用計  870,000  500,000  550,000  1,920,000
   当期増減額  130,000  −260,000  340,000  210,000

新基準風味〜発展型??

このような決算書は多くの法人で見かけます。
認定委員会も文句は言わないと思いますが少し残念です。
会計基準や指針には勘定科目で事業区分を表してはいけないとは書いていませんが、¥0ばかりの表になります。
表Aと表Cは同じものを表現しているのですが、みなさんはどちらが見やすいでしょうか?
私は基本的にお客様には表Aをお勧めしています。

表C
     A事業  B事業  C事業  合計
収益  A事業収益  1,000,000  0  0  1,000,000
 B事業収益  0  240,000  0  240,000
 C事業収益  0  0  890,000  890,000
 収益計 1,000,000   240,000 890,000 2,130,000
費用  A事業人件費  400,000  0  0  400,000
 A事業印刷製本費  160,000 0
 0  160,000
 A事業旅費交通費 80,000  0 0 80,000
 A事業賃借料 230,000 0  0 230,000
 B事業人件費  0  0  0  0
 B事業印刷製本費  0 300,000 0 300,000
 B事業旅費交通費 0 150,000 0 150,000
 B事業賃借料  0 50,000 0 50,000
C事業人件費  0  0  350,000  350,000
C事業印刷製本費 0  0 0 0
 C事業旅費交通費 0 0 170,000 170,000
 C事業賃借料  0 0  30,000  30,000
 費用計  870,000  500,000  550,000  1,920,000
   当期増減額  130,000  −260,000  340,000  210,000

これまで使用してきた勘定科目体系を、抜本的に変えてしまう事に不安を感じる方はいらっしゃると思います。実際に混乱や弊害がない訳ではありません。しかし公益法人を取り巻く社会環境が大きく変化し、新たな法制度に沿った情報開示が求められている現状では、旧会計基準から適切に離脱することが肝要ではないでしょうか。


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